インフルエンザ

インフルエンザのワクチン接種について

予防接種インフルエンザワクチンの接種は毎年10月から開始されます。インフルエンザワクチンは接種から2週間後に効果を現し、約5か月間効果が持続します。流行は12月~3月頃まで続きますので、流行しているピーク期間に効果を保つためには、流行の始まる半月以上前に接種を受ける必要がありますので、11月下旬から12月上旬頃までに接種しておくことがおすすめです。

インフルエンザの種類

インフルエンザは主にA型・B型・C型に分けられ、ワクチンは流行や重症化を起こしやすいA型とB型に効果が得られるように作られています。

A型インフルエンザ

インフルエンザの中で症状が最も強く、変異を起こしやすいことから、世界的な大流行を引き起こすことがあり、例年の感染者数も多くなっています。
38℃以上の高熱、喉の痛み、頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状を起こし、重症化すると肺炎や脳症を合併するリスクがありますので、注意が必要です。

B型インフルエンザ

A型の流行よりも遅れて流行することが多く、吐き気・嘔吐、腹痛、下痢といった消化器症状を起こすこともあります。また、高熱にならないケースもあります。
数年ごとに流行を繰り返していましたが、近年は続けて流行が起こることも増えてきています。

C型インフルエンザ

症状が軽く、感染に気付かないうちに治ってしまうケースもあります。流行することもほとんどありません。

変異しやすいA型には、新型インフルエンザ・鳥インフルエンザ・豚インフルエンザなどが含まれます。強毒性があって重症化・致死率が高いものが出現し、世界的な大流行を起こす可能性がありますので、厳しくモニタリングがされています。

インフルエンザは予防接種を受ければ感染しないのか

予防接種を受けていても、免疫力が低下しているとインフルエンザの感染を100%予防することができないケースがありますが、感染した場合もワクチン接種を受けていることで重症化を防ぐことができます。インフルエンザは重症化すると死亡するリスクのある感染症ですが、ワクチン接種によって治せる可能性が高くなります。
ただし、接種したワクチンと同系統であっても、変異した新種に感染した場合は予防効果が弱くなることがあります。

インフルエンザの予防について

インフルエンザは感染者の咳やくしゃみなどの飛沫感染、ウイルスに汚染されたものに触れた手指で口や鼻、目などの粘膜に触れて起こる接触感染で広がります。感染を広げないために、そしてうつらないために、流行期には正しい手洗いをこまめに行うことが重要です。トイレや帰宅後はもちろん、他の方が触れた可能性があるものに触れたら石鹸でしっかり手を洗ってください。また、人が多く換気が十分ではない電車や室内ではマスクを着用しましょう。

インフルエンザにかかってしまったら

発熱イメージ発症後、それほど時間が経過していなければ、ウイルスの増殖を防ぐ抗ウイルス薬を使用することで症状を早めに抑えることができます。
抗ウイルス薬は内服、または吸入で投与するものがあり、投与後48時間以内に熱が下がりはじめます。ただし、抗ウイルス薬を投与された場合でも他の方を感染させる状態であり、登校や出社は医師の指示があるまで控える必要があります。
学校保健安全法では、インフルエンザにかかった場合の出席停止期間を発症後5日間・解熱後2日間と定めています。

インフルエンザの治療

抗ウイルス薬には下記のような種類があります。内服する経口薬、吸入薬、注射薬は、患者様の年齢や状態に合わせて処方されます。

ノイラミニダーゼ阻害薬

経口薬 オセルタミビル(タミフル)
吸入薬  ザナミビル(リレンザ)
ラニナミビル(イナビル)
注射薬 ザナミビル(ラピアクタ)

キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬

経口薬 バロキサビル(ゾフルーザ)

インフルエンザの抗ウイルス薬は、感染した方全員に処方されるものではありません。ウイルスが増殖後は投与しても効果がないなど処方が適切ではないケースも存在します。
インフルエンザの抗ウイルス薬の添付文書にも、「抗ウイルス薬の投与がインフルエンザ感染症の全ての患者に対して必須ではないことを踏まえ、患者の状態を十分観察した上で、使用の必要性を慎重に検討すること」とあり、処方が適切と医師が判断した場合にのみ処方されています。