足のこむら返り、足がつる

足のこむら返り、足がつるとは

足のこむら返り、足がつるとは一般に「足がつる」と言われているのは、眠っている間や運動時に、自分の意思とは無関係に発生して、数秒間から数分間持続する足の筋肉のけいれんです。
多くの場合、けいれんは足のふくらはぎで発生しますが、太ももやつま先、足の裏がつる人もいます。ふくらはぎにけいれんが発生した場合は、「こむら返り」とも言われます。

足がつる(こむら返り)原因

足がつる原因は様々あります。若い方は運動量が多かった日の夜に、脱水やミネラル不足、筋肉の疲労によって起こることが多いです。妊娠中の方は電解質のバランスの乱れが足がつる原因になることがあります。一方、50代以降になると、運動不足や加齢による影響で筋肉量が減り、血行不良も加わって、足がつりやすくなります。運動や妊娠、加齢などの要因がなく健康な人であっても、睡眠不足や疲労によって足がつることもあります。
しかし、生活習慣に変化がないのにも関わらず、足をつる回数が増えているようであれば、疾患が原因となって起こっていることも考えられますので、お早めの受診をお勧めします。

「足がつる」を引き起こす疾患

糖尿病

高血糖による脱水や電解質異常、末梢神経の過剰な興奮などによって足がつりやすくなります。

下肢静脈瘤・下肢閉塞性動脈硬化症

主に末梢血管の循環障害に起因して足がつりやすくなります。

腎不全

人工透析を受けている方に多く見られます。透析による電解質バランスの変動やカルシウム・カリウム・マグネシウムの低下、カルニチン不足などが原因として挙げられます。

心不全

心不全になると血行が悪くなり、体内の水分バランスが崩れることから筋肉がけいれんしやすくなります。

睡眠時無呼吸症候群

十分な睡眠を取れず、常に睡眠不足で疲労が蓄積することによって、足がつる場合があります。

甲状腺機能異常

甲状腺ホルモンの分泌量が減少すると血行が悪くなり、結果的に筋力も低下して足がつりやすくなります。

自律神経失調症・うつ病

交感神経が緊張しすぎることによって足がつりやすくなります。

神経疾患・脳腫瘍

神経系の異常によって筋肉がけいれんし、足がつりやすくなります。

利尿薬、不整脈や一部の脂質異常症のお薬などが原因で、筋肉にけいれんが生じる場合があります。

脊椎管狭窄症・椎間板ヘルニア

脊髄の神経が圧迫されることによって、足がつりやすくなります。

こむら返りや足が
つるのを防ぐには

水分補給をする

水分補給健康な人も電解質バランスの崩れや脱水によって、足がつりやすくなります。運動などで大量に汗をかいたときは、こまめな水分補給を心掛けましょう。
スポーツドリンクで水分補給をする人もいますが、けいれんが糖尿病に起因していた場合には、スポーツドリンクが原因でさらに血糖値が上がり、逆効果になることもあります。足がつったときには、水か白湯、甘くないお茶を飲むようにしましょう。

体をあたためる

体が冷えると血液の循環が悪くなり、筋肉が収縮するためけいれんが起こりやすくなります。体を冷やさず、できるだけ温めるようにすると効果的です。
特に夏場には、エアコンで室内の温度を下げすぎてしまい、就寝中に体が冷えて足がつる例が多く見られます。エアコンを使う場合は高めの温度に設定し、肌掛けやタオルケットなどで体が冷えすぎないように工夫してみましょう。

入浴時に湯船に浸かる

湯船に浸かる機会を増やすことも有効です。シャワーだけでは足が温まらないため、湯船に浸かって全身を温め、血行を促します。体が温まると自律神経が安定し、筋肉も緩みますので、足がつりにくくなります。お湯のなかで足全体をマッサージするのも良いでしょう。入浴後には水分補給を忘れないようにしてください。

食事のバランスを整える

カリウムやマグネシウム、カルシウム、クエン酸、ビタミンB1などの摂取が有効だといわれています。

  • マグネシウムを多く含む食品:わかめ、あおのり、あおさなどの海藻類、きのこ類、アーモンド、ごま、干しエビ
  • カルシウムを多く含む食品:小魚、海藻類、豆腐、納豆、ヨーグルト、切り干し大根、菜の花、小松菜
  • クエン酸を多く含む食品:レモンなどの柑橘類、パイナップルやキウイなどの果実、梅干し
  • ビタミンB1を多く含む食品:玄米、かつおぶし、たらこ、うなぎ、大豆、ごま、豚肉

足がよくつる・こむら返りが
頻発する場合は
検査を受けましょう

足がつりやすくなる原因に高血糖があります。ところが、血糖値が高い状態が続いているのに気付かず、スポーツドリンクを摂取したり、マッサージや整体に行ったりする方も少なくありません。足がつる頻度が増えるようであれば、早めの受診が必要です。
また、糖尿病以外にも足がつる原因は多くあります。重大な疾患が隠れている可能性もありますので、気になる症状がある場合はお早めにご相談ください。
当院では糖尿病に加えて、足がつる原因になり得る睡眠時無呼吸症候群や甲状腺の異常など様々な疾患の治療に対応しています。いつでもご相談ください。

検査について

診察室問診、採尿と採血を行い、尿糖、血糖、甲状腺ホルモン、肝機能、腎機能などを調べます。また、検査の結果を考慮しつつ、腹部エコー、心臓エコー、心電図などの検査を実施し、足がつる原因を検査します。筋肉のけいれんを誘発する疾患は多岐にわたるため、患者様の健康状態や生活習慣を伺いながら、可能性の高い項目から無理のない範囲で順に検査をすすめています。